＜不登校＞年々増加する不登校。とうとう34万人に

以前から不登校が増え続けているという報道が流されていました。少し前までは「不登校が約30万人」と言われていました。これは実は2022年の結果です。その年の不登校の人数は翌年の10月ごろになるため、あたかも2023年の出来事だと思っていた方も少なくないでしょう。そして、昨年の暮れ近く、一昨年の不登校の児童・生徒の人数が発表されました。人数はなんと34万人！。約30万人と言われた時も国や自治体などが以前にも増して対策を講じたはずなのですが、目に見える成果が表れていないようです。しかも、34万人という人数は高校生を含んでいないのです。他にも五月雨不登校の子で、ギリギリ不登校の基準に満たなかった子や、学校によっては別室登校も出席としてカウントするという判断もあるようです。

私ども北大阪セラピーラボでも不登校の人数が増えているという実感があります。小学生・中学生・高校生のいずれもが増加しています。上記のことを裏付けるように、五月雨不登校(さみだれ登校)の子や高校を中退し、通信制高校に転校される子なども少なくありません。不登校の結果、ひきこもりになったり、非行に走ったり、頭痛・発熱・下痢(過敏性腸症候群)などの心身症状や強迫性障害・社交(社会)不安障害SAD.など神経症などに陥ってしまうと、まさに「不登校による二次弊害」と言えるでしょう。不登校の子を持つ親御さんもただ手をこまねいているわけではありません。まずは身近な担任の先生に相談される方も多いと思いますが、たいていは学校のスクールカウンセラーに相談されたり、自治体の相談機関に相談されることをすすめられることが多いでしょう。学校によっては、民間の相談機関を含めたリストなどを提供されることがあるようです。ただ、公平を期するためなのか機関数が多数掲載されているため、どこに相談すればよいか迷われる親御さんも多いことでしょう。少なくとも民間の相談機関なら公式HPがある場合、一通り目を通してみることをおススメします。それぞれに得意分野や本人の来所の有無、治療方法などの対処方法が違うことがあることをしっかり確認していただき、わが子に合っていそうかどうか、カウンセリングの進め方などが納得できるものかどうかなどは継続する上でとても重要です。また、「ここがピッタリ！」というところが見つかっても自宅から遠方であるかもしれません。ただ、他の相談機関と比べてとても良いと感じた場合は距離に関係なく通われる方も少なくありません。私どもも「家族療法」という方法でカウンセリングを進めています。ただ、従来の家族療法ではなく、現状に即したスタイル、つまり本人が来所を嫌がっている場合でも親御さんだけの来所で解決できる方法を取らせていただいております。特に私どもは相談に来られる方々を通して得られる情報から「今」「どんなこと」が起こっているか、どんな方法が有効かなどを確認する現場主義を中心にカウンセリング技術を磨いています。

いずれにしても、現在の国や自治体の対策だけでは今後も不登校の人数が増え続けることは否定できません。ましてや少子化が進んでいるにも関わらず不登校の人数が増加しているという矛盾はなんとしても食い止めなければならないでしょう。

北大阪セラピーラボ

所長　小川和夫