＜不登校＞「中１ギャップ」に苦しむ子たち

【最上級生から最下級生へ】

小学6年生から中学1年生へ。たった一学年進級しただけなのに、この差はとても特殊であり複雑です。小6のころは最上級生と呼ばれていた立場から、一転、新入生(＝最下級生)になってしまいます。部活動に入部すれば周りは自分たちよりも大人っぽい先輩だらけ。今まで学校のトップにいた彼ら(彼女ら)からすると、とても大きな存在(＝怖い)と感じる子も少なくないでしょう。

【担任との関係】

担任教師がほとんどの教科や朝の会・終わりの会などを担当し、いかにも「この先生のクラス」という雰囲気だった小学校と比べ、中学校は教科担当制です。担任教師の関りは一気に減ってしまいます。1日6時限あれば6人の教科担当の教師(先生)とホームルームの担任と合わせ、実に7人の教師(先生＝以下略)と一定の時間を過ごすことになります。中学入学直後はもとより、慣れるまで相当緊張するのは当たり前でしょう。この緊張感が続くだけでも神経をすり減らし「不登校」になってしまう子もいるぐらいです。

【部活動での厳しい練習・上下関係】

中学校の部活動は週に5日ぐらいから、大きな大会を視野に入れている部であれば休みがほとんどないということも珍しくないでしょう。おまけに中1の新入生は上級生と同じ練習というよりは、雑用などもいいつけられます。何より、先輩(上級生)から偉そうに指示されたりダメ出しをされることも大きなストレスになるでしょう。これが毎日続いてしまうと「部活動を辞める」という決断をくだす子もいますし、部活動の同級生ばかりと付き合っていた子なら居場所をなくしてしまい「不登校」になってしまう子も。

【大人あつかいされること】

これが不登校の一番の原因になってしまう子が多いようです。ついこの前まで小学生だった子が担任教師や教科担当の教師・部活動の顧問から中学生として扱われるようになる。これは一気に「子どもあつかい」から「大人あつかい」に変わってしまうほど急激な変化でありストレスになります。先生方の言葉づかいも変わってきますし、大人としての行動が求められるようになってしまうのです。先生方にも諸事情がおありだと思いますが、中2中3に向かうにつれ、少しずつあつかい方を変えていただけると、いわゆる「中一ギャップ」による不登校は少なからず減らすことができるでしょう。もちろん、これは不登校専門のカウンセラーとしての私見です。また、このようなストレスは家庭(親)の対応次第では十分に発散可能です。彼ら(彼女ら)が一番つらいのは、このような苦しみやストレスを一人で抱えてしまうことです。「学校でのストレスは家庭で発散！」。これが不登校防止や再登校への最も有効なキーワードです。

解決のキーワード＝緊張感の強さ・居場所の無さへの理解、家庭でグチをこぼさせてやる、よりどころ