北大阪セラピーラボ

<不登校> 依存?中毒? ゲームやスマホの「寝落ち」の真相

【不登校の子は寝落ち率が高い】

ゲームをしているうち・スマホを持ったまま寝入ってしまう寝落ち。この問題は主に中学生・高校生以上の子に多く見うけられることです。不登校の子ならその割合は一気に増え、ほとんどの子が寝落ちするまでゲームをしたりスマホを手放さないといっても過言ではないでしょう。世間では一般にゲーム中毒・スマホ依存などと呼ばれているようですが…。

 

【なんとしてでもゲームやスマホをやりつづようとする子】

中学生や高校生になると、自分専用の部屋を持たせてもらえる子も増えてきます。親と一緒に寝ている時は、親がすぐそばにいるため寝落ちするような状況には陥りにくいのですが、自分の部屋がある=何をしても親に気づかれないため自由を満喫できるようになります。親が眠る前に子どもが何をしているのかチェックしに部屋をのぞいたとしても、親の足音に気づくや否やすかさずゲームやスマホを隠したり、寝たふりを決めこむ子も。中には電灯を消し布団にもぐりこんでこっそりとゲームやスマホをする子も。それほどまでしてゲームやスマホを手放せない子たちを全て「〇〇依存・〇〇中毒」という形でひとくくりにして良いのでしょうか?

 

【いつまでもゲームやスマホを触っているのは眠りたくないから?】

不登校の子にとって登校不安が最も強くなるのが「眠る前」です。就寝するのが何時であろうと眠ってしまえば朝がやってきます。朝になると否が応でも「登校」という二文字が重くのりかかってくるのです。そんな毎日を過ごしているうち「眠ってしまえば朝がやってくる。朝になると登校のことが気になる」…。これを避けるには「眠らなければ朝はやってこない」と、無理なことだとわかっていながらもそんな気持ちが頭をよぎってしまうのです。

 

【就寝前が不安のピーク】

一方、眠るためにゲームやスマホを終え、あとは布団に入って眠るだけ。これが一般的な寝入り方ですが、実はこのタイミングに最も大きな不安が襲ってくるのです。寝つきの良い子は布団に入ってものの数分で熟睡できるようですが、不登校の子はこの逆です。ゲームやスマホは実は「不安な気持ちを紛らわせるための手段」なのです。つまり、何もせずに布団に入ってしまうと寝つくどころか頭には翌日の登校の不安が次から次に頭に浮かび、モヤモヤしたりイライラし、いっそう寝つきが悪くなってしまうわけです。

 

【不安を避ける手段=ゲーム・スマホでの寝落ち】

なかなか寝つけずモヤモヤ・イライラしてくると結果的に目が冴えてしまいます。さらに頭の中を占めている不安を紛らわせるために再度ゲームやスマホに手が伸びてしまうわけです。やがて「寝ようとするとモヤモヤ・イライラするけど、ゲームやスマホをしていれば不安な気持ちは紛れる」という考えにいたります。そのため、少しでも不安な気持ちに襲われないよう眠たくなるギリギリまでゲームをしたりスマホをいじったり…。そうしているうちに寝入ってしまい、そのままパソコンデスクにうつ伏せのままだったりスマホを握りしめたままだったりベッドの下に落ちていたり…。

親御さんが毎朝子どもを起こしに部屋に入るたびに、このような光景を目にするとどうしても「ゲームやスマホを取り上げないとこの状態は変わらない」「やっぱり依存症・中毒症なんだ」と、ゲーム・スマホの取り上げやクリニックへの受診の必要性を感じられるかもしれません。しかし、不登校カウンセリングの専門家としては「この子は不安でいっぱいなのかも」「この子の不安をどうしたらわかってやれるだろう」といった見方もぜひ取り入れていただき、カウンセリングなどで対応の仕方を工夫するという方法もあることを考えてくださることもご検討いただきたいです。

2022.04.06

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代表 小川和夫 (不登校・非行専門 心理カウンセラー)

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