＜不登校＞家で暴れたり、かんしゃくを起こしたり、弟や妹をいじめる子（小学生以下）

これは小学生の不登校の子に多いのですが、外では外面(そとづら)が良く愛想も良いのですが、家ではうって変わって別人のように暴言を吐いたり物にあたったり、いわゆる「内弁慶の子」。中には弟や妹をいじめたり自分の手足の代わりに用事を言いつけたり…。果ては母親や同居の祖父母にきつく当たり散らす子も少ないないようです。これも家庭内暴力の一つと言えるでしょう。

私どものカウンセリングには主に母親(お母さん)が来所されますが、毎日のように母子関係で揉めたり何を言っても暴言しか返ってこないなど、日常的にまともな会話(コミュニケーション)すら交わせなくて悩んでいるというご相談も珍しくありません。

不登校のカウンセリングを進める上で、親子の会話や接点は多ければ多いほど不登校問題の解決の役に立ちます。特に不登校問題解決に向けて大きな前進が見込めるようにするためには、親子の会話の促進は欠かせません。中でも、「喜怒哀楽」の四つの感情をそれぞれ明確に話せる(伝えられる)ようになることが大切です。

少し専門的な説明になりますが、イライラしたときに暴言を吐いたりかんしゃくを起こす子は、言葉(単語)をつないで自分の気持ちを表現すること(文章化・言語化)が苦手なのです。特にイライラいしていると気持ちもせっかちになっていますので、「どんな風に説明したらわかってくれるかな～」とゆっくりと考える余裕も持てません。結果的に母親としても子どもが何で困っているかもわからず、当の本人(小学生)も上手に伝えられなかったことで、いっそうイライラの悪循環に陥ってしまいます。こういった現象が起こりやすいのが、いわゆる「小学生・未就学時代」なのです。

こんな時こそ親御さん(特に母親)の出番です。細かなことは不登校専門のカウンセラーからのアドバイスを受ける必要があるかもしれませんが、まずは「イライラしているから落ち着かせよう」「暴言を吐いたり、物や下の子に八つ当たりするのは悪いことだから、それは厳しく言い聞かせよう」を第一に考えておられるのでしたら、少し目先(優先順位)を変え、「イライラしているから何か訴えたいんだろう。どうしたらうまく聞きだせるかな？」を優先してみることをおすすめします。それだけで話の展開や子どもの精神状態が変わってくることも。もちろん、話を聞きだすことを優先するあまり、物を壊したり弟・妹たちをいじめてしまうのを放っておくわけにはいきません。不登校以外に別の問題が出てくる可能性があります。そんな場合は話をする場所を変えたり下の子たちに他の部屋に移ってもらうなど打つべき手は打たれた上でお願いします。

解決のキーワード＝「聴き役に徹する」「間(ま)を大事にする」