＜非行・不登校＞仲間がいるからこそ楽しい非行の子

【根強く残る非行の子たち】

ピーク時ほどではないかもしれませんが、まだまだ非行(素行不良・問題行動)の子はアチコチにいるようです。いま一番めだつのは「中学生」でしょうか。少なくとも高校生よりは圧倒的に多いようです。中学生の非行の怖いところは、学校現場においては校則違反・ケンカ・カツアゲ(恐喝)・授業放棄・妨害や怠慢な態度をいくらとっても「退学」にはさせられないということです。当然、学校現場で非行や問題行動を起こす子は放課後も同様に、良くない行動が目立ちます。無断外出や外泊・深夜徘徊・万引き(窃盗)・他行の生徒とのもめ事・禁止されている遊び…、数え上げればキリがありません。

【非行＋不登校】

深夜徘徊や外泊などを続けたり、中には高校生と偽って深夜のアルバイトをしている子もいます。そんな子たちは当然のことながら寝不足→朝起きられない→不登校という流れを辿ります。また、平気で遅刻や早退をする子もざらにいます。北大阪セラピーラボでは不登校と非行が専門ですが、不登校＋非行のご相談は比較的上位に入っています。非行(問題行動)の子は中学生が多いと申し上げましたが、これが中学3年生だといっそう大変です。そう、高校受験が控えているのです。不登校のみならず遅刻・早退が多いと当然のことながら受ける授業数も少なくなります。さらに、家でおとなしく宿題や復習・予習するとも考えにくいでしょう。彼ら・彼女らは友だちからLINEやインスタグラムのDMなどで連絡が入った時が「遊ぶタイミング」なのです。そのため、夕食も深夜に食べるという子も少なくありません。

【意外とゲームやネット中毒とは無縁】

非行の子は、相手(友だち・先輩・後輩)が唯一の遊び相手なのです。つまり人間のみ。中身があるかどうかは別にして、誰かとおしゃべりしたり、一緒にいるだけで楽しく安心するのです。そのため、ゲームやパソコン(ネット)のように機械相手に遊んでも楽しめません。唯一、スマホは使いますが、これはあくまて友だちとの連絡手段。いつ・どこに集合し、いつ解散するかは先輩や友だちの中でもリーダー格の子次第。受け身の非行の子は親が「どこに行くの？」「何時までには帰って来なさい」と尋ねたり指示しても答えられないというのが実情です。北大阪セラピーラボに相談にこられる親御さんの子たちは、このような「受け身の子」＝非行仲間に呼び出された子たちが大半です。リーダー格やボス的な子はほとんどいません。そんな子を持つ親御さんにとって、「あの子はいつ帰るのか」「門灯はつけておくべきか」「鍵はあけておくべきか」なども悩ましいところでしょう。なにより、パトカーや救急車のサイレンの音を聞く度にビクッとするという声もよくお聞きします。一日も早く安定した家族に戻したい…これが親御さんの切なる願いでしょう。

＝＝【解決の第一歩】＝＝

非行(問題行動)の子の家庭環境には、ほとんどといって良いほど共通した特徴があります。それは、非行の子以外の親御さんや兄弟姉妹はたいてい「真面目」ということです。稀に兄弟姉妹のうち、もう一人が非行傾向の子という場合もありますが、少なくとも親御さんは真面目一筋で、曲がったことが大嫌い。以前こんなエピソードを聞いたことがあります。コンビニで小学生の子が数十円のものを万引きしたことがわかった親御さんが、嫌がる子を引きずるようにコンビニに謝罪に行かれたそうです。数十円といえども、一回目といえども許せなかったようです。…このようなご家庭の普段の雰囲気はどのような感じだと思われますか？テレビを観て大笑いしたり、家族団らんで食事ほとったり、たまに子どもの希望のお店に外食したり、時にはジョークが飛び交う…もちろん「No」です。以前は非行の本人にも来所していただいておりましたが、個別に話してみると「家の雰囲気がイヤ」「親が堅苦しすぎる」「親の融通が利かない」「ちょっとしたことですごく怒られる」…など、ポジティブな感想はほとんど聞いたことがありません。だからといって、親御さんに急に大笑いしたりジョークを飛ばすというのも無理があるでしょう。その代わり、ゆとりというか、気軽な雰囲気をかもしだしていただくだけでも子どもさんにとって家庭での「居心地の良さ」を少しは感じることができるかもしれませんし、発展形として「非行仲間」の情報が得られるようになるかもしれません。これは非行問題解決の第一歩になります。

北大阪セラピーラボ

所長　小川和夫　(不登校専門)

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※北大阪セラピーラボは2023年3月に独立開業して「5周年」、

　2023年4月には不登校専門、非行専門の心理カウンセラーとして「35年」となりました。