＜不登校＞「私立中学」入学後に待ち受けている「期待」と「プレッシャー」

親の意向、子どもの希望、不登校のため環境を一新する、いじめから逃れるため…、私立中学を受験する理由は様々ですが、受験勉強をスタートするのはたいていは小学４年生ぐらいでしょう。教育熱の高い地域・学校の子たちは周りの子たちも塾に通ったりしているため、あまり違和感は感じないようですが、そうでない場合、習い事に熱中する子、放課後に友だちと遊ぶ約束をかわしている子たちを横目に、足しげく塾通いが始まります。

特に、小学６年生にもなると土曜・日曜の塾も当たり前。塾によってはお弁当を２個持ちで朝から夜まで「特訓」ということも珍しくありません。それもこれも、私立中学に入れば英才教育による学力の向上はもちろんのこと、高校受験で苦労する必要がなくなるというメリットも大きいことでしょう。

晴れて第一志望の中学に入学が決まった子は「あー、これで受験勉強しなくていいんだー」と安堵するのも束の間。入学早々から思わぬ展開が待ち受けています。「これでしばらくはゆっくりできる」という気持ちを無残に打ち砕くように、先生方から信じられないような言葉を耳にすることに。

「皆さんは選ばれた人です。この中学・高校の６年間で理想の大学に入学することを目指し、充実したカリキュラムにのっとって勉強に励んでいただきます」。さらに、「塾に通う必要はありません。当校の方で補習の時間を十分に確保していますので」…。

子どもたちの気持ちを代弁するまでもないでしょう。特に、そんな厳しい仕組みを予期していなかった子たちにとっては、私立中学に入学したとたんに高校受験を飛び越して大学受験に向けての勉強が始まるわけです。特に、地域のトップ校は比較的自主的な勉強ができるようですが、二番手・三番手の中学になると、トップ校に追いつけ追い越せと、学校の威信をかけて躍起になっているようです。

私立中学に入学して早々に不登校になってしまうのはこのような子たちが多いようです。また、楽しく付き合える友だちを作ろうにも、放課後に一緒に遊ぼうにもそんな余裕はありません。やがて勉強も低迷し、授業についていけなくなったり、宿題が多すぎてこなせなくなってしまうことに…。

私どもでは不登校問題の解決はもとより、不登校の予防にも力を入れています。不登校のカウンセリングに来所されるのは親御さんですが、親としてどのようなサポートをしてやれば子どものモチベーションが取り戻せるか、また、中学入学前に「入学後の不安」としてご相談いただいた場合は、入学後に待ち受けている上記のようなメリット・デメリットを説明の仕方を工夫しながらお伝えいただくようお勧めしています。また、子どもさんがカウンセラーに直接相談したいと希望される場合は、できる限りご希望に添えるよう配慮いたします。何より大事なのは、しっかりと予測を立てた上で挑むこと、それに、入学早々であれば、まだまだ親の対応次第で子どもも柔軟に変化し得るということです。その対応の仕方(アドバイス)はどうぞ不登校専門カウンセラーにお任せください。