北大阪セラピーラボ

<不登校・非行> ギリギリタイプ=朝起きや動き出すまでに時間のかかる子

【いつもギリギリ】

「朝起こす時間・出かける約束をしてもいつもギリギリになる」「夕食の声かけをしてもすぐに来ない」「いくら言ってもなかなかお風呂に入らない」…。このように、特に不登校や非行の子の中には親の気持ちとは裏腹に何をするにも「すぐに動かない・時間がかかる」子が多いものです。ほとんどの子がそうだといっても過言ではありません。

とりわけ不登校や非行(素行不良)の子は「気が乗らないと動かない」という子が多く、親が口を酸っぱく言えば言うほど動きが遅くなることもあります。挙句の果てには「うるさい!しつこいぞババア!」など、悪態をついたり物に当たってしまうという結果になることもしばしばあるでしょう。

こんな場合、声かけ自体をやめてしまったり時間通り(予定通り)に動かすことを諦めてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。

私どもはこれまで多くの不登校・非行の子たちの子のお手伝いをしてきましたが、彼ら・彼女らの反応は親御さんの出方(声のかけ方・タイミング)次第では意外と素直に動くことがわかっています。ここではあまり効果が上がらない声かけのパターンを2つご紹介したいと思います。


【急かす・強要パターン】

例1)「(素直に動かないとわかっているので)早いうちから何回も声をかける」「声をかけているうちに次第に怒り口調になっている」「『早く!』『まだーっ?』『何回言ったらわかるの!』など、子どもを急かせるパターン

【見放し・突き放しパターン】

例2) 何度声をかけても起きない時「もう知らないから!」「好きにしー!」など、突き放すような形で終わるパターン


 

【子どもが反発する理由】

不登校や非行の子は、急かされれば急かされるほど反発してしまう傾向があり、まだまだ眠たい気持ちもあるものの、ここで親の言う通り素直に応じてしまうと「親に負けた」と感じる子が多いようです。率直に言えば「強要されるほど、反発したくなる」子はとても多いのです。彼ら・彼女らは子どもでありながらも、思春期を迎え次第にプライド(=自尊心)が高くなってきているのです。特に不登校の子は「嫌なことを一度言われると、ずっと根に持つ」という傾向もあり親子の会話の減少につながることも十分にあり得ます。さらに大母親から「もう知らない!」と言われてしまうと、「それならオレ・ワタシの好きにやらせてもらうわ!」と、朝起き一つで丸一日もしくは何日も口をきかなくなることも。まるで口には出さないものの「売り言葉に買い言葉」のようになってしまうのです。

親子の関係がこじれてしまった時は臨床心理士不登校専門のカウンセラーといった「第三者」「専門家」の方が客観的に状況判断ができるでしょう。ただしママ友によっては要注意です。その方の経験談「べき論」を勧めてくる場合が多いからです。

 

【子どもながらも大人あつかいを!】

そこで、子どもながらも少し「大人扱い」のような声かけに変えてみたり、「何時におきるの?」など、子どもの気持ちを尊重してやったりした方が、子どもの自尊心(プライド)も保たれ、素直に返答しやすいということも起こってきます。おまけに、口を開かせることで目も覚めやすくなるでしょう。場合にはよっては「歯磨きだけしない?」「朝ごはんできてるよー」と、学校(登校)に直接関係ないことを話しかけた方が反発も少なるでしょう。また、これは別の機会に説明いたしますが「タイムリミットを設定する」という方法が効果的な場合もあります。

何より、親からみれば「子どもはいつまで経っても子ども」という視点は変えにくいと思います。しかし、いつまでも親の言うことに従順というのでは、大人になって自立できるかどうかが心配です。その意味では「思春期=反抗期」は必要なのです。思春期に入り、少しずつ「自分のことは自分で決めさせてやる」という方向に導いてやることも親の役割だと割り切っていただいた方がうまくいく可能性が高まるでしょう。

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小川和夫

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2021.10.07

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代表 小川和夫 (不登校・非行専門 心理カウンセラー)

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