北大阪セラピーラボ

<不登校> 三学期の再登校を諦めないで!

他の学期と比べ三学期の特徴は、登校すべき日数が短いということです。実質二カ月半で、私立学校なら入試の都合などで、さらに一週間程度短くなります。
そのため、本来は不登校になったら一日でも早く再登校を願われると思いますが、三学期になってから不登校になった場合や、不登校が三学期まで長引いてしまった場合、親御さんの目線も次学年から、小6や中3なら新しい環境(進学後)から再登校してくれればという風に考えられる親御さんもそれなりに見うけられます。
たしかに三学期はすぐに終わってしまうだけでなく行事も少なく、授業もどんどん新しい単元に進んでいくというよりは、後半に近づくほど一年間の総復習のような意味合いが色濃くなってきます(進学校は例外もあり)。勉強の遅れの心配も少し薄れてしまうのですね。
このような環境は考えようによっては再登校の絶好のチャンスとも言えます。三学期ということでクラスメートも緊張感が薄れ、リーダーシップがとれる子もだいたい決まっています。担任の先生の声かけや人選次第では不登校の子の受け入れ体制もとりやすくなるわけです。中にはその子の受け入れ方についてわざわざホームルームを開いて話し合ってくださるクラスもあるようです。そこで家庭(親)と連携して、この子は登校の際に積極的に声掛けをしてくれた方が嬉しいのか、そっとしてくれる方が安心するのか、どんな話題に興味があるのかといった情報を共有することで、親御さんも安心して不登校の子に再登校を勧められます。もちろん、日ごろから学校の雰囲気や話題・出来事といったよもやま話を本人に伝えておく(情報提供)方が、本人もクラスのイメージが浮かべやすく身近なところだと感じることができるようになりことも。
あとは、三学期のメリットを生かすことです。ゆとりのある進み方をする科目や笑いが飛び交う科目を前もって教えてあげたり、本人から直接希望を聞く(「絶対にあてないでほしい」「最後の一時間だけ出たい」「しんどくなったら保健室に行きたい」など)のも是非お願いします。また、考えようによっては「一日も早く再登校を!」というよりは、「三学期のうちに一日でも登校しておけば四月からも行きやすくなるし、春休みも堂々と過ごせる」と、しっかりと意味づけてあげることで再登校に対するモチベーションが高くなり、実際に四月から再登校できる子もいますし、気持ちが楽なるのか三学期のうちにも思っていた以上に登校できるようになる場合もあります。

2022.02.16

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代表 小川和夫 (不登校・非行専門 心理カウンセラー、ファミリーセラピスト)

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