北大阪セラピーラボ

<不登校> ずっとリビングにいる子 VS 自分の部屋にひきこもりの子

【家庭内での居心地の良さ】

不登校の子といえど、必ずしも親を避けたり自分の部屋にひきこもっているばかりではありません。朝起きたらずっとリビング(居間)に居座りつづけ、食事以外は録画したビデオを観たりやゲームばかりしているという子も珍しくありません。時にはゲラゲラ笑ったり、ゲームがうまく進まないとイライラしたりと感情も出せるのです。理由の一つとしては、このように自由に振る舞える子は小学生、特にまだ思春期・反抗期に達しておられない子が多いようです。とはいえ、不登校中だというのに気まずさは全く感じないのでしょうか?

 

【子どもへの同情心】

不登校のカウンセリングでは色々な親御さんにお目にかかっていますが、子どもの学年・年齢だけでなく、親御さんの方から「あまり学校の話題に触れないようにしています」という声が意外と少なくありません。たとえば、クラスでいじめにあって不登校になってしまった子や、担任の先生との関係がうまくいっていない(叱られてばかり)で「先生が怖い」と言いだしてから不登校になったなど、「登校したらまたイヤな思いをさせてしまうのでは…」と、親御さん自身が無理に登校刺激をしたくないということもあるようです。「せめて家では明るく過ごしてほしい。この子の悲しむ顔はもう見たくない」…。このお考えは確かに理解できます。そんなこともあり家庭内の居心地もよく何をするのも自由なのですが、こと「再登校」に対してはこのままでは開けてこないのも事実です。いずれ何かしらの対応の変化・工夫が必要になってくるでしょう。

 

【反抗期のひきこもり】

一方、めったに自分の部屋から出てこず、一日に出てくるのはトイレ数回と食事程度という子も少なくありません。もちろんその場合、食事もさっさと食べ、そそくさと部屋に戻ってしまうのは言うまでもありません。親が声をかけても「ふんっ」「別に」とせいぜい一言ていど。親を避けたり、ひきこもりの程度がもっと強い場合、食事さえも親が自室に運んでやらないと食べにも来ないという子もいます。このようなパターンに陥ってしまうのは反抗期まっさかりの中学生・高校生の時期が多いようです。このような場合、やっかいなのは親と「顔を合わせない・部屋から出てこない」だけではありません。何より気になるのは「何も語らない・わかってもらおうという気がない」ということなのです。親としても下手に強く出て暴力を振るわれても困るし、壁に穴をあけられても困ります。やがて「不登校・再登校」については、触れてはならない腫れ物になってしまいます。

 

【どこに重点をおくか】

親を避けずリビングに居座りつづける子は、質問にも気軽に答えるなど「口数」も比較的多いようです。今は親の方から話題を選んで声かけをしていても、いずれは「不登校・再登校」の話題に触れなければなりません。そして、親として学校の話題を出した時に最も耳にしたくないのが「ネガティブ・後ろ向き」な返答でしょう。これは考え方を変えていただければ解決できます。「ポジティブ・前向き」な返答が期待できないから話題に出しにくいという点を、「(再登校のことを考えると)何が心配か・どんなことがイヤか・再登校したら何を避けたいか…」など、登校に際して頭に浮かぶ「素直な気持ち」を聴いてあげれば良いのです。当然、出てくる内容はもちろんネガティブ(否定的)なことばかりです。親としてはとにかく「不安にさせたくない」「子どもの気にしていることを何とか解決してやりたい」と強い使命感に駆られるでしょうが、ここは「子どもの気にしていることをわかってやる」ことが一番重要であり子どもが望んでいることなのです。当の子どもも学校がイヤだという気持ちと同時に「わかってほしい」という気持ちも持ち合わせています。その気持ちを尊重してあげるだけで学校の話題が自然と口をついて出てくるようになります。解決策を考えるのはその後からで十分です。

一方、反抗的でひきこもっている子の対応ですが、日ごろから部屋にこもっていたり頻繁にイライラしているようであれば、きっと本人も「不登校・再登校」、また年齢的にも「将来」のことを気にしている可能性が十分にあります。そのような場合、相手(子)が年頃の思春期・反抗期という年齢を考慮し、レベルの低い(軽い)会話から次第に会話レベルを上げていくという方法をおすすめします。親から切り出す話題ははじめのうちは「挨拶・雑談」程度から。しかも、一回一回の声かけは「単語」のみ。雰囲気も「軽~く、さりげな〜く」が得策でしょう。小さな子は長々と話をするのが好きですが、中学生以上になると話が少しでも長くなってくるだけで「うざい・しつこい」と感じてしまうのです。また、声をかけたからといって返答を期待する必要はありません。返事をしなくても軽く流してくれる親(お母さん)、これを繰り返していると少しずつ安心感をおぼえるになり気を許してくるようになる子もいます。

他にも今どきのツールも使えるものは使いましょう。一例ですが、最近は家族間で「LINE」を使って連絡し合っているという方も多く、面と向かって話すよりは返信率が高くなるかもしれません。返信がなくても「既読」がつくだけマシだと考えたり…。また、本人の興味のあること(ゲーム・アニメ・スポーツ・テレビ番組など)もさりげなく話題に盛り込んでいただくと良いかもしれません。「今日は〇〇がテレビに出るねー」「〇〇の新作が出るらしいねー」など…。そうしているうち、今までは違う反応を返してきたり、返信(返事)が少しでも長くなってきたらチャンスです。成果が出てくるまで少し時間はかかるかもしれませんが、根気づよくお願いしたいです。

 

【小さな子は親が誘導してやる・反抗期の子は相手の懐(ふところ)に入ってやる】

このように、リビングに居座りつづける小学生ぐらいの子は、親の方から「会話を誘導(リード)してやる」方が再登校に向けての展開が早くなり、思春期・反抗期の子には「相手合わせ(子にあわせる)」方が親に対して気を許してくれやすくなり、小学生よりは手がかかったり、時間もかかるでしょうが、再登校に向けての話題に持ち込んでいくことが可能になってきます。不登校を専門にお手伝いしているカウンセラーでさえ、不登校の子の「きっかけ・原因」「不登校の期間」はもちろんのこと、「年齢・性別」「普段の居場所」「親子の会話量」「関心のあること」「現在の親の方針」などに重点を置いたり、親の対応も「手短な発言」「聴き役」などを中心にカウンセリングを進めています。

2022.03.17

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代表 小川和夫 (不登校・非行専門 心理カウンセラー)

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